ワインが好きと言えなかったワイン屋の話。

ワインが好きなのですか?と、よく聞かれる。当たり前だと思う。ワイン屋をしているのだから笑。けれど、ワインが好きで始めた仕事ではなかった。大きな声でワインが好きだと言えない時もあった。

ワインが好きと言えないワイン屋

今の仕事をはじめたのは、ワインを扱いたいと思ったから。だけど元々はお店のため、家族ためにできることをしたかったからというのが始まり。やりたい、よりもやってみたい。いや、やるしかない。他に思い浮かぶ選択肢はなかった。(今思えばそんなことはないのだけどね)

ワインを飲む機会は多かったけれど、きちんと学んだことはない。ワインが好きとも言えない。けれど迷うくらいならやってみようと歩み始めた。

ただ仕事としてワインを扱うのだからはじめた理由はさておき、自分にできることを見つける必要があった。

まずは知ることから始めようと、ワインの販売を始めるための手続きや準備と並行していろいろなワインを飲んだ。店にあるもの、人から勧めてもらったものをひたすら飲んでみた。(お酒が強くなることは一向になかったけど笑)

ワインは味も種類もさまざま。いろんな産地やぶどうの種類やタイプあって、始めは訳がわからず混乱した。けれどいろいろ飲むうちに、これは苦手とか、これは好きとか、少しずつ分かるようになっていった。好きなワインや自分が選ぶ基準も分かるようになっていった。

けれど自分にできることは見つからず、相変わらず迷っていた。

素敵な人のワインの楽しみかた

たくさんのワインを飲む一方で、ワインのことを学んだり業務用の試飲会に行ったり、いろんな場所に足を運ぶ機会が増えた。そんな中でたくさんの人との出会った。

ワインフィッターという働き方を一緒に目指した仲間やワインのインポーター(輸入会社)さん、ワインの醸造家さんや自分と同じようにワインを売る人たち。ワインをきっかけにいろんな人と出会えることや視野が広がっていくことが、ワインを飲むこと以上に面白かった。

仕事にしなければ出会わなかっただろう、素敵な人にもたくさんお会いした。そして思った。魅力的な人たちはみんな、ワインを好きなように楽しんでいる。オシャレな人が好きなものを好きなように身に纏っているように、素敵だなと思う人は好きなワインを好きなように飲んでいた。そんな姿が眩しかった。

私はずっと気にしていたのだ。ワインを学んだことがないとか、ワイン屋としての経験がないとか。でもそんなのは関係ない。好きなものを好きなように楽しめばいいのだと、自由にワインを手にするプロたちが教えてくれた。

やっと正直にそのままの自分でやろうと思えた。自分が好きなワインを届けようと。ワインが分からない、好きだと言えない自分だったからこそ伝えられることがあるし、見えるものやできることがあるのではと思えるようになった。(そうは言っても行動に移していくことは思うよりも簡単なことではなかったけど苦笑)

自分にできることは、自分がワインを楽しむこと、心が動いたワインを届けること。そして何よりも自分の言葉で語ること。

美味しいワインを探して、心から良いと思うワインを届けたい。そして、毎日の暮らしの中でできる楽しみ方を伝えたいと、やっと思えるようになった。

自分にできることなんて多くないし、そう遠くにあるはずもないのだから。

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それではまた^ ^

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